高齢出産にはリスクがつきものといいます。
その中でも、真っ先に思い浮かぶのが『染色体異常による胎児の障害』ではないでしょうか?
この染色体異常による障害児の有無を、出産前に確認できる方法が『出生前診断』です。
今回は、この『出生前診断』について、詳しくお伝えします。
目次
出生前診断の費用や時期は?
出生前診断は、妊娠したら何時でも受けられる訳ではありません。
診断方法にもいくつか種類があり、その種類によっても適切な受診時期があります。
まずはその診断方法の種類と費用について、ご紹介します。
※具体的な検査時期および費用は、母体や赤ちゃんの状態・病院によっても変わってきます。
この記事はあくまで目安とし、詳細は病院にご確認ください。
母体血清マーカー検査
時期:妊娠14~18週頃/費用:3万円前後
母体の血液を採取して、ホルモン量などの成分を調べ、
赤ちゃんに染色体や遺伝子異常があるかどうかの確率を調べる検査です。
「トリプルマーカーテスト」という検査はこちらになります。
羊水検査
時期:妊娠16~18週頃/費用:10~15万円
子宮内で赤ちゃんは羊水という水分に包まれいます。
この羊水中に、赤ちゃんの細胞が含まれているため、
羊水を採取して染色体や遺伝子に異常がないかを調べます。
こちらの検査を行うと、
マーカー検査の際にはあくまで確率でしか分からなかった胎児の障害有無がハッキリと分かります。
絨毛検査
時期:妊娠9~11週頃/費用:15万円前後
絨毛というのは、赤ちゃんとお母さんをつなぐ胎盤を構成している組織です。
子宮口から細い管を入れて絨毛を採取し、染色体に異常がないかを調べます。
新型出生前診断(NIPT)
時期:妊娠10週から可能/費用:約21万円
少し前に話題になった出生前診断方法です。
こちらは、母体からの採血だけで80~90%と高い検査精度で分かる検査です。
ただし、母体が35歳以上という条件と、
検査費用が高額であるという懸念事項があります。
上記にあげた『絨毛検査』と『新型出生前診断(NIPT)』は、
高度な技術が必要だったり、まだ導入から日が浅いなどの理由から、
実施できる病院が限られているのが現実です。
現在も一般的な出生前診断は『マーカー検査』と『羊水検査』になるかと思います。
高齢出産の出生前診断は義務?受けないという選択肢は?
この出生前診断、高齢出産の場合には必ず受けないといけないのでしょうか?
いいえ、必ず受けないといけない訳ではありません。
病院によってガイドラインは違うかと思いますが、
普段の検診から胎児に異常がみられるかどうかの有無は関係無く、
先生から出生前診断に関する説明はあるかもしれません。
ですが、それはあくまで説明がされるだけです。
実際に検査を受けるかどうかは、妊婦さんとそのご家族の判断に委ねられます。
かくいう私は、出生前診断を受けない事を選んだ、高齢出産経験者です。
第三子を妊娠した時、私は43歳でした。
当然の様に先生から出生前診断に関する説明がなされました。
その時は、たしか妊娠12週位だったと思います。
『次回の1ヶ月後の検診までに考えておいて下さい。
もしその前に診断を受けると判断された際には、病院にすぐご連絡頂いてかまいません。』
マーカー検査では、あくまで確率でしか分かりません。
ハッキリと知りたいなら、羊水検査を受ける事になります。
検査を受けてから結果が出るまで、2週間位かかるとの説明も受けました。
羊水検査は妊娠15~18週に受ける検査。
15週に受けて、結果が分かるのが17週。
そして、法律的に中絶が認められているのが21週。。。
検査結果を知ってから、赤ちゃんを殺すかどうか、
あまりにも短い期間で結論を出さなければいけないのです。
先生から出生前診断の説明を受けてから、まるで体の中にタイマーを抱えているようでした。
゛チクタクチクタク……早くしなくちゃ、早く……チクタクチクタク。。。゛
出生前診断を受けない事で得た安心感
そして、結論的には『出生前診断は受けない』事を選んだ私です。
゛診断を受ける=(イコール)赤ちゃんを殺す前提゛
という図式が、私には付いて回っていました。
すでに2人の子供が居たので、お腹の子の未来予想図が簡単に想像できてしまった私には、
どうしても産まずに殺してしまうという選択ができませんでした。
その選択ができないなら!。。。受ける必要無いんじゃない?!
これが私の、いえ、私と主人の結論でした。
そうすると、胸にあったタイマーは止まり、代わりに日めくりカレンダーが出てきました。
『あぁ、あと何日で会えるんだね……ペラペラ……早く会いたいよー♪』
これはあくまで私だけの一例にしか過ぎません。
決して、出生前診断を否定するつもりはありません。
出生前診断を受ける事で得られる、未来への安心感。その選択肢も十分アリだと思います。
どちらを選んだとしても、お腹の赤ちゃんの思いもしっかり抱きかかえられる、強い母親でいて下さい。
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