赤ちゃんの耳に水がたまる病気があるのをご存知ですか?
これは、お風呂やプールで耳に水が入った事で病気になるという物ではなく、
鼓膜の内側に水がたまってしまう病気で、幼児がかかることが多いのです。
耳の聞こえが悪くなるので、
テレビを近くで見るようになった
呼びかけても反応しずらい
ママの声、ちゃんと聞こえてる?
なんて事が多いようでしたら、それは耳の病気なのかも?
目次
滲出性中耳炎とは?
この耳に水がたまる病気というのは、滲出性中耳炎と呼ばれています。
耳の内部の構造は、「外耳(がいじ)」「中耳(ちゅうじ)」「内耳(ないじ)」に分かれていて、その中の「中耳(ちゅうじ)」に液体が溜まった状態のことです。
液体がたまっているのだから、当然耳の聞こえは悪くなりますよね。
ちなみに、中耳というのは鼓膜の奥にあるのでお風呂の時のお湯やプールの水が入る事はありません。
そしてこのたまった液体は、中耳の炎症によってしみ出てきたリンパ液です。
滲出性中耳炎になる原因
ほとんどの場合は、急性中耳炎に引き続き、滲出性中耳炎になる事が多いです。
※「中耳炎」についてはこちらの記事に書いています。
参考記事:赤ちゃんが耳を触るのは中耳炎?赤ちゃんが送る6つのサイン
この病気は3歳から発症し、幼稚園~小学校1年生がピークで、10歳頃が一番かかりやすいと言われていましたが、
最近は赤ちゃんでもかかる病気だという事が分かってきました。
自分の耳の聞こえの悪さを訴えることのできない赤ちゃんの発症は見逃されてきたのでしょうね。
自覚症状があまりない病気なので、発見が遅れがちになるのと、
低年齢ですと暴れてしまって処置が難しいのとで、非常に厄介な病気です。
治療は長引く?
滲出性中耳炎の治療は、長引くものだそうです。
耳の中にたまってしまった水は、軽い症状のものでも3~6ヶ月、重度のものは1年以上続くことも。
また、季節によっても症状に変化があり、
春から夏にかけては軽く
秋から冬にかけては重く
なるのだそうです。
そして、顔の華奢な男の子が長引く傾向にあるという見解もあります。
そう言われてみれば、私の幼なじみで耳の病気に頻繁になっていたのも、華奢な男の子でした。
これは諸説あるとは思いますが(^_^;)
そして、頻繁に病院に通ったからと言って早く治るという物ではなく、子供の体質が変化する時期、子供が成熟する年齢になると治りやすいと言われています。
どんな治療をするのか?
滲出性中耳炎の治療には以下のような方法があります。
・鼓膜切開…鼓膜に小さな穴をあけて、中にたまった水を抜く方法です。
鼓膜に麻酔をかけてから行うので、ほとんど痛みはありませんが、中の水を抜くときに大きな音がするので嫌がる子供も。
水が抜けた瞬間から、聞こえが良くなるので周りの音が大きくてうるさく感じる子もいるそうです。
・チューブ留置療法…鼓膜切開を何度も繰り返す場合に行います。
鼓膜に小さな穴をあけて、その穴がふさがらないように細いチューブを通し、中耳の中が常に空気にさらされている状態を維持します。
そして、中耳の粘膜が通常に戻るようにします。
・薬による治療…軽い症状の場合には薬で治療します。
治療にかかる期間は最低でも2カ月、通常3カ月ほどはかかります。
家庭でもできる、難聴チェック!
子供の場合は、耳の聞こえが悪くても自分から訴えてくることは少ないです。
赤ちゃんならなおさらですよね。
ですので、ご家庭でもお子さんの耳がちゃんと聞こえているのかチェックしてあげれば、初期の段階で軽い治療で済ますことができるかもしれませんので、ぜひ様子を見てあげてください。
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1.テレビの音が大きい
2.呼んでも反応しない時がある、返事をしないことがある
3.大きな声でお話しするようになった
4.耳がふさがった感じがするという
5.耳の中でガサガサといった音がする
6.耳をよくさわる
7.鼻炎や風邪が長引いている
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こういった症状がある時は、早めに耳鼻科を受診してください。
滲出性中耳炎だと気づかずに放置してしまっていたせいで難聴になり、
耳の聞こえが悪いせいで言葉の発達が遅かったり、学力にも影響が出てしまったという事例もあります。
おわりに
滲出性中耳炎は、完治させるのには根気の必要な病気です。
お子さんの耳の聞こえも悪いし、何回も切開しているのに治らない…と、不安になってしまうママさんも大勢います。
でも、難聴になる前に気付いて受診させてあげることができた、お子さんの異変に気付けたことが素晴らしいです!
きちんと治療を続けていれば、99%は治る病気と言われていますので、根気よく付き合っていきましょう。
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